雑穀を活かして和食の栄養素をパワーアップ

約 1 分
雑穀を活かして和食の栄養素をパワーアップ

 日本は戦後の高度成長期に和食から徐々に欧米の食事を取り入れるようになり、今では大多数の若い世代の食卓が、洋食を中心としたものに変っています。子どもたちの好きな食べ物も、カレーやラーメンといった日本独特の変化を遂げたものもありますが、古来からの和食を好む子どもたちも減少し、それが「キレやすい」子ども、我慢ができない若い人を増加させています。

和食の基本

 和食の基本は、一汁三菜です。これは、主食とする米、汁物、魚を使った主菜、そして野菜や芋類を材料にした二品の副菜をつける「一汁三菜」を摂ることで、バランスの良い食生活ができると言われています。たしかに、夕飯のメニューがカレーライスやオムライス、グラタン、パスタの場合は、汁物をつけてもスープになり、副菜もサラダ、デザートと二品つけるのは珍しいことで、魚を取ることも減ります。
 
〈和食と洋食の献立〉
 和食の献立を作ると、米、味噌汁(味噌、わかめ、豆腐、長ネギ、カツオだし)、主菜(鯵の塩焼き)、和え物(ほうれん草、辛子、醤油)、炒り鶏(筍、にんじん、シイタケ、こんにゃく、ゴボウ、鶏肉)と、基本の献立を作っても、一食で16種類以上の食材を使うことになります。 このほかにも、ゴマや生姜、海藻などを付け加えることもできるのが和食の良いところです。
 洋食の場合は、グラタン(牛乳、小麦粉、鶏肉、マカロニ、パセリ、バター)サラダ(レタス、トマト、キュウリ、ハム、卵)スープ(コンソメ、玉ねぎ、キャベツ、にんじん、ベーコン)と同じ16種類を使っても、小麦粉や葉野菜、肉に偏り、根菜や米、魚、大豆を取ることなく献立が作れます。

 和食は、炭水化物、糖質を多く含む分、食物繊維も多く、カルシウムや鉄分、マグネシウムやビタミンも多く含みます。たんぱく質も魚、肉、大豆とバランスよく摂ることができます。それでも日本人が不足しがちなものがミネラルです。

〈土が痩せている日本〉
 ミネラルウオーターというものがありますが、日本で販売しているものの多くは、ナチュラルウオーターで、ミネラルはほとんど含みません。日本は土壌そのものが痩せていて、欧米と比べると、野菜などのミネラル分が低いのが特徴です。
 牧草を食べる牛が、土壌のマンガン不足で不妊になっているという地域もあります。

和食の問題

そのため、同じほうれん草やトマトを食べても、日本の野菜と、ヨーロッパの野菜では、ヨーロッパの野菜の方が、ミネラル分が多く含まれています。そのため、日本では、洋食はもちろん、和食でもミネラルを充分に摂ることが難しくなります。まして、二期作、二毛作と畑を休ませることなく、作られている野菜はそれだけ栄養分が不足してしまっているという問題を抱えています。

〈海藻からとる危険〉
 本来、ビタミンや食物繊維、炭水化物をバランスよく含む和食でも、ミネラル(無機質)としっかり取るには、海藻やゴマ、小魚などを一緒に摂ることが大切になります。海藻にはカルシウムやマグネシウムを多く含み、緑黄色野菜以上のビタミンAやミネラルを摂ることができます。
しかし、海藻、特に昆布やひじきは「ヨウ素」を多く含み、ヨウ素の過剰摂取を引き起こすことが問題になっています。ヨウ素は女性では1日に140㎍以上摂ることが理想ですが、ひじきの煮物を食べると、1人分300㎍~500㎍くらい摂ることになります。昆布の産地や海藻の産地では、ヨウ素の摂りすぎによる「甲状腺がん」になる人が他の地域よりも多いということが明らかになっています。

〈雑穀でミネラルを摂る〉
 雑穀にはヨウ素はあまり含まれていません。しかし、食物繊維や鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛を多く含むことが明らかになっています。いずれも白米にはほとんど含まれず、和食の中でも大豆や魚で摂ることが多い栄養素です。また、カルシウムやマグネシウムは骨の成分となりますが、神経を落ち着かせる働きもあります。カルシウムやマグネシウムは「キレやすい」「落ち着きがない」子どもたちの予防になります。
牛乳にも多く含まれますが、牛乳はマグネシウム量がバランス的に不足し、海藻で摂ることが一番良いとされています。この分を雑穀でとることができれば、より安全に、マグネシウムの摂取ができます。

 雑穀は含まれるビタミンB群や食物繊維がダイエット効果を発揮するだけでなく、海藻に頼ることでヨウ素を摂りすぎる、ということを避けることができます。マグネシウムやカリウム、亜鉛を摂ることで、貧血予防やがん予防といった健康効果が期待できます。
 和食の主食のご飯を、白米から雑穀米に変えるというのは、こういった栄養効果もあります。雑穀米で毎日の和食を、栄養面からもさらに良いものにすることができます。

Leave A Reply

*
*
* (公開されません)

CAPTCHA