エネルギーになる三大栄養素の比較
白米を基準に、玄米、雑穀、豆類の順になっています。雑穀は代表的なものを名称順にしました。
三大栄養素
エネルギーになる栄養素を三大栄養素といいます。炭水化物、たんぱく質、脂質の三種類です。白米を基準にして様々な雑穀の三大栄養素を比較してみました。
栄養成分表 エネルギー(kcal) たんぱく質(g) 脂質(g) 炭水化物 (g)コレステロール(mg)食物繊維(g)アミノ酸価
白米 358 6.1 0.9 77.1 0 0.5 47
玄米 364 10.5 2.7 73.8 0 3 47
アマランサス 358 12.7 6 64.9 0 7.4 不明
あわ 364 10.5 2.7 73.1 0 3.4 49
えんばく 380 13.7 5.7 69.1 0 9.4 100
大麦 341 10.9 2.1 72.1 0 10.3 91
きび 356 10.8 1.7 73.1 0 1.7 不明
キヌア 344 13.5 6.1 55.7 0 6.1 不明
ひえ 366 9.2 3.3 73.2 0 4 8.2
小豆 339 20.3 2.2 58.7 0 17.8 100
大豆 417 35.3 19 28.2 0 17.1 100
この表からも分かるように、雑穀や玄米は白米と比較し、エネルギー量が低いわけではありません。そのため、カロリーを下げてダイエットしたい、ということでは「雑穀」は決して当てはまらないことを認識してください。
食物繊維は炭水化物の中でエネルギーにならない栄養素です。腸の働きを促したり、糖質の吸収を抑える働きがありますが、雑穀の食物繊維は白米の3倍から10倍以上です。雑穀を白米と一緒に食べることで、たくさんの食物繊維を摂ることができます。
ビタミン量の比較
栄養成分表 ビタミンA(μg)ビタミンD(μg)ビタミンE(mg) ビタミンB1(mg) ビタミンB2(mg) ビタミンC(mg) 葉酸(μg)
白米 0 0 0.1 0.08 0.02 0 3
玄米 0 0 1.2 0.41 0.04 0 27
アマランサス 0 0 1.3 0.04 0.14 0 130
あわ 0 0 0.6 0.2 0.07 0 29
えんばく 0 0 0.6 0.2 0.08 0 30
大麦 0 0 0.2 0.22 0.07 0 40
きび 0 0 0.15 0.05 0 0 43
キヌア 0 0 不明 0.14 0.15 0 78.2
ひえ 0 0 0 0.25 0.02 0 14
小豆 1 0 0.1 0.45 0.16 0 130
大豆 1 0 1.8 0.83 0.3 0 345
雑穀をはじめ穀類は、緑黄色野菜に含まれるカロテンも、肉や乳製品に含まれるレチノールもほとんど入っていません。そのため、いくら健康に良いとされている雑穀をたくさん食べても、脂溶性ビタミンのビタミンAを取ることはできません。
雑穀ばかりに頼らず、肉や緑黄色野菜を食べることも必要です。また、ビタミンCもほとんど含まれていませんので、一緒に他の果物や野菜からたくさん取ってください。
穀類、特に雑穀の特徴は、他の食品から取ることが難しいビタミンB群を多く含むことです。ビタミンB群は、果物には少なく、野菜でも充分に取れない栄養素です。ビタミンB1は糖質をB2は糖質やたんぱく質、脂質をエネルギーに変える働きがあります。また、不足すると、皮膚の炎症、特に「口内炎」や「口唇炎」などの炎症を起こしやすくなります。また、ビタミンB1が不足すると、脚気やウエルニッケ症といった病気で命を落とすこともあります。
豚肉ほどではありませんが、ほとんどの雑穀のビタミンB群は白米の5倍以上です。雑穀米や雑穀を食べることで、ビタミンB群を補いましょう。葉酸はビタミンB群の一種で、こちらも同じような働きがあります。
ミネラル量の比較
栄養成分表 ナトリウム(mg) カリウム (mg)カルシウム(mg) りん(mg) 鉄(mg) 亜鉛(mg)マグネシウム(㎎)
白米 1 88 16 94 0.8 1.4 7
玄米 1 230 14 290 2.1 1.8 110
アマランサス 1 600 16 540 9.4 5.8 270
あわ 1 280 14 280 4.8 2.7 110
えんばく 3 260 47 370 3.9 2.1 100
大麦 2 220 23 180 1.3 1.4 25
きび 2 170 9 160 2.1 2.7 84
キヌア 1 707 32.2 370 4.94 3.36 170
ひえ 6 240 7 280 1.6 2.2 58
小豆 1 1500 75 360 5.4 2.3 120
大豆 1 1900 240 580 9.4 3.2 330
白米との比較で、最も明らかに多いのが「カリウム」です。カリウムはナトリウムと対の関係で、細胞膜の中と外のpHを調節する役割があります。塩分を多く取りやすい日本人には、カリウムをしっかりと取る必要がありますので、雑穀はそれにふさわしい穀物と言えます。
また、リンとマグネシウムを多く含むのも分かります。骨はカルシウム:リン:マグネシウム=2:2:1の関係で摂取した時に、骨になります。牛乳にはマグネシウムの量が少々不足していますので、雑穀から摂ることで補うことができます。しかし、リンの多さが少しきになります。リンの割合が多いと、せっかく摂ったカルシウムを排泄してしまうことがあります。その分、カルシウムを多めに取るよう注意してください。