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雑穀米に含まれる成分の危険性と回避する方法

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雑穀米に含まれる成分の危険性と回避する方法

雑穀米は、白米に比べて栄養価の高い穀類が含まれており、海外のセレブやモデルが利用したり、粗食やスローフードなどが、健康や美容に良いと見直されたりしている事で、注目される食材になっています。しかし、雑穀が持つ栄養成分の中には身体に有害であると言われ、敬遠されてしまう場合があります。果たして本当に危険性があるのか、説明していきます。

Contents

雑穀米に含まれる有害とされる成分

雑穀は、米や小麦以外の穀類や植物の種子などを言いますが、植物が持つ栄養の中には、健康に良いとされる一方で、人体には有害になるとされる場合もあります。雑穀に含まれている成分で、有害と言われる事があるものは次のようになります。どういった危険性があるのか、またどうすれば危険性がなくなるのかを説明します。

キレート効果のあるフィチン酸

フィチン酸は、玄米、ゴマやとうもろこしなど多くの雑穀に含まれています。キレート効果で、鉄や亜鉛などのミネラルと結合してしまい、ミネラルが吸収されないまま身体から排出されてしまう事で、身体には悪影響があるとされています。

しかしフィチン酸には、身体に良いミネラルだけでなく、身体に害となるヒ素や水銀、カドミウムなども一緒に排出してくれます。有害となる重金属は、身体に蓄積し、アトピーや不妊の原因になるとも言われており、蓄積しないようデトックスする必要があるものです。

フィチン酸は安全で問題がないと、平成18年発表の厚生労働省の調査報告に出ていますが、心配な方は玄米であれば発芽させると問題がないと言われています。ただし発芽玄米も問題になる場合があり、市販品ではなく、自分で発芽米を作って即食べるのが一番安全です。

果物や野菜にも含まれるアブシジン酸

穀類が休眠や乾燥状態になった時に、合成される成分で多くの雑穀に含まれています。アブシジン酸は、身体を酸化させる活性酸素を発生させ、身体の細胞のエネルギーとなるミトコンドリアに影響を与えるために、危険だとされています。

しかし、アブシジン酸には抗酸化作用があり、動脈硬化や糖尿病などに有効な成分であると判明しています。

またアブシジン酸が含まれているのは、玄米や雑穀だけではありません。果物や野菜にも含まれるものが多く、雑穀以外では問題にされていない事を考えると、雑穀であっても、問題ないと言えます。アブシジン酸は、半日程度浸水しておけば無害になるとされていますので、気になる方は浸水してから料理などに利用されると良いです。

品質改良で含有が少なくなったエルカ酸

エルカ酸は、なたねやからしに多く含まれる成分です。発がん作用や心臓や肝臓に障害を起こすとされています。

遺伝子組み換えなどではない品種改良が行われ、エルカ酸の含有が少なくなっています。

その他摂り過ぎに注意するべき成分

成分そのものは、効果の高いものであっても、摂りすぎる事で悪影響を及ぼすものもあります。摂りすぎに注意したいのは、次のような成分です。

必須脂肪酸であるリノール酸

脂質の多い雑穀に含まれる油の中にあるリノール酸は、身体の中では作る事ができない必須脂肪酸であるため、食物から摂る必要があります。適度なリノール酸は、コレステロールを低下させ、動脈硬化を予防できます。

しかし摂り過ぎると、炎症を促す物質が増える事がわかっています。体内で炎症が起きると、アトピー性皮膚炎や、喘息、花粉症、結膜炎などが起こりやすくなり、また癌のリスクも高くなると報告されています。

フィトエストロゲンであるイソフラボン

イソフラボンは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンと同じような働きができるフィトエストロゲンと言われるものです。更年期だけでなく、産後にもエストロゲンの減少が起こる場合があります。エストロゲンの減少により、コレステロールの増加、皮下脂肪の増加、骨粗鬆症、更年期障害などが起きてきます。イソフラボンは、エストロゲン減少をサポートして、これらを予防し症状を緩和します。

しかし摂り過ぎると、乳がんや子宮体がんなどのリスクが高くなってしまいます。

危険性は低く有効成分でもあるもの

雑穀に含まれる成分で危険性があると指摘されているものには、同時に有効成分も含まれています。一方的に危険な成分はないと言えます。また、良いと聞いて摂り過ぎ、体調を崩すのは、成分の問題ではなく偏った食べ方です。危険だと聞くだけで悪いものだと考えず、有効性や回避できる方法を知ってから判断してください