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雑穀ヒエの漢字の稗の意味と歴史

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雑穀ヒエの漢字の稗の意味と歴史

ひえという雑穀の語源は「冷え」から来ているという説と、ヒエの語源は日毎に盛んに茂るから日得(ヒエがあります。これは、ひえという植物が寒さに強い「冷え」に強く育ちやすいというところからきたという説です。
もう一つは、日毎に盛んに茂るから日得(ヒエ)という説もあります。
また、漢字の「稗」(ひ)に「え」を加えたという説もあります。
 漢字では「ひえ」は「稗」と書きます。

稗の伝来とその名前

〈稗とは〉
 稗は学名「Echinochloa esculenta (A. Braun) H. Scholz (1992))」といい、イネ科ヒエ属の植物です。アイヌ語ではピヤパといいますが、英語ではJapanese barnyard millet(日本の農家の前庭の穀類)と呼ばれています。ヒエは米などに較べると保存性がずっと良かったために、どこの農家でも、昔から救荒作物として、ヒエ倉や天井裏などに備蓄しておく習慣がありました。そこで、アメリカでは「農家の前庭の穀類」と呼ばれています。ひとたび洪水や凶作になると、これを炊いてひとときの飢えをしのいでいました。

〈稗という字の意味〉
 もともとの現在地は、中国とインドで、2500年前には日本に伝来したといわれています。中国では稗のことを「稗子」「稗草」と書きます。稗は中国やインドから伝来したことからもこの「稗」があてられることも考えられます。
「稗草」は日本語訳では「野稗」「犬稗」を表し、中国語では「野稗」をさします。

アメリカには日本から伝わったものがありますが、ほとんどは家畜の飼料用として栽培されています。
 稗には米と同様に、糯(もち)と粳(うるち)の2 種類があります。糯種は精白して団子や飴、餅などにして食用とし食べられていました。粳種はヒエ飯などと称して炊いて食用にしていた。まさに言葉通り、米と同様の食べ方もされていました。

稗という漢字の意味

 稗という漢字は「のぎへんに「ひ」「へい」」と書きます。

〈稗がつく姓氏と名〉
福岡や大分ではこの稗の字を使った姓氏「稗田(ひえだ)」さん、広島県を中心に日本で170人しかいない「稗苗(ひえな)」さん、都内に60人しかいない「小稗(こひえ)」さんなど珍しい姓氏で使われています。姓氏では使われる「稗」ですが、人名(名前)に使うことはできません。

つくりが「卑弥呼」の卑ですが、この字は、音読みで「はい」「ひ」と読み、「ちいさい、こまごました」という意味になります。
この卑弥呼の「卑」という字は「いやしい」「身分が低い」「下劣」という悪い意味になります。よく、他人に対して陰湿なひどい扱いをする人の行為に対して「卑劣な行為」などといいますが、そこで使う字です。

〈稗という漢字〉
 のぎへんは「穂が垂れるあわのかたち」を描いたものです。「稗」は異字体で、「背が小さい低い、いね」という意味になります。「稗」は「稗官」「稗史」という熟語で使われます。「稗官」は古代中国で、民間の風評を聞き集めて王に報告した小役人のことです。「稗史」は中国で物語や民間の言い伝えを記録した文芸のことです。これは、中国の漢書の文芸誌は「稗官」の話から来たものが多いことから、こう呼ばれています。

 稗はJIS第1水準漢字ですが、一般的に使う漢字ではありません。でも、姓氏に使われていたり、古くからの歴史がある漢字なので、穀類の稗とともに、ぜひ覚えてください。