多くの人は、白米や小麦粉を使ったパンや麺類を主食にしていますが、精白したものより、糠や胚芽がついたままの玄米や、表皮や胚芽がついたまま粉にした全粒粉の栄養が高いのは言うまでもありません。白米や小麦粉は、柔らかく甘みもあり美味しいものですが、健康や美容を考えるなら、雑穀米の方がおすすめです。雑穀米について、効果や効能をご紹介していきます。
Contents
雑穀米と白米の栄養の違い
白米は栄養の宝庫である糠や胚芽を取ってしまっていますが、雑穀には栄養が詰まったままです。雑穀は炭水化物の塊になってしまった白米と違い、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。
また雑穀には含まれていても白米には含まれていない栄養成分に、フィトケミカルがあります。フィトケミカルは、植物が外敵や紫外線などから自らを守る為に作りだした成分で、ポリフェノールやカロテノイドがあります。
雑穀米に含まれるフィトケミカルの効果効能
ポリフェノールはワインで有名ですが、ワインだけではありません。ポリフェノールは植物が黒豆や黒米のアントシアニン、小豆のカテキン、蕎麦のルチン、豆類に含まれるイソフラボン、ゴマのリグナンなどは、すべてポリフェノールです。また、トウモロコシには、カロテノイドであるゼアキサンチンが含まれています。
身体は息をして酸素を取り入れている限り、酸化されています。その上、紫外線や食品添加物などを摂る事により、より酸化しやすくなってしまいます。酸化するとは老化する事であり、肌や毛髪、血管などが酸化されると、シミやシワ、動脈硬化などに繋がります。その酸化から身体を守る働きが抗酸化作用で、ポリフェノールやカロテノイドなどフィトケミカルが持つ大きな効能です。
フィトケミカルの抗酸化作用は、血液中のコレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化を予防します。また、紫外線から発生する活性酸素を防ぎ、シミやシワ、肌荒れなどを防ぎアンチエイジングできます。イソフラボンやリグナンは、フィトエストロゲンと言われ、女性ホルモンの一つであるエストロゲンと同じような働きができるため、エストロゲン減少で起こる、更年期障害の症状の緩和や、骨粗鬆症の予防、コレステロール蓄積の抑制などができます。
雑穀米に含まれるたんぱく質の効果効能
白米よりも、豆類などが含まれた雑穀米にはたんぱく質が豊富になります。たんぱく質は、筋肉、内臓、皮膚、骨、歯、爪、毛髪などを作る元になっている成分です。不足すると筋肉がなくなり基礎代謝量が減るため太りやすくなり、シワやシミができる、爪が割れやすい、抜け毛が増えるなどのトラブルが起きてしまいます。たんぱく質をしっかり摂れば、筋肉を増やす事ができ、肌や髪の毛のトラブルを防げ、筋肉が増えると基礎代謝量が上がるため、ダイエットにも有効です。
またたんぱく質を作っているアミノ酸は、神経伝達物質と言われるセロトニンやドーパミンを作っています。不足すればイライラや集中力の低下が起きやすくなります。
雑穀米に含まれるビタミンやミネラルの効果効能
精白された白米は、ビタミンB1やミネラルの含有量が減っています。ビタミンB1は、糖質を分解しエネルギーに変換するために必要な成分で、不足すると脚気という疾患を起こしやすくなります。白米のビタミンB1含有量はとても少なく、栄養のあるおかずを食べずに白米だけを食べていると、脚気になる可能性があります。
また雑穀は、ミネラルの含有が多くなっています。カリウムは、身体から不要なナトリウムを排泄してくれる作用があり、高血圧の改善や予防ができます。カルシウムやマグネシウムは、骨を丈夫にする働きがあり、骨粗鬆症を予防します。また、鉄は貧血予防、亜鉛は味覚障害を改善したり、新陳代謝を高めて皮膚や毛髪の再生を促したりする効果があります。
雑穀米に含まれる食物繊維の効果効能
食事で血液中に糖分が増えると、それに合わせてインスリンというホルモンも分泌され、糖分を身体中の細胞に送ります。インスリンの作用で、処理しきれなかった糖分を内臓に脂肪として溜めたり、溜め込んだ脂肪の分解を抑制したりするため、インスリンの分泌が多いと太りやすくなります。
雑穀の中でも特に大麦には、他にないβグルカンという水溶性食物繊維が多く含まれています。βグルカンには糖質と一緒に摂ると、糖分を包み込み排出するという働きがあり、食後の血糖値が急上昇しません。その結果太りにくくなるというだけでなく、糖尿病の予防もできるとされています。
また雑穀は全般的に、食物繊維が豊富に含まれています。便秘が慢性化し老廃物が長く腸内に留まると有害物質が発生しますが、食物繊維は腸内を掃除しながら老廃物も排出するため便秘が解消されます。便秘が解消されると、老廃物から起こるニキビや吹き出物などの肌荒れも改善され、有害物質を排除する事で、大腸がんのリスクを下げる効果も期待できます。